久保かすり織物の久留米絣ができるまで|21の作業工程(経絣/板絣)
久留米絣がどのようにしてつくられるのか、弊社で行っている作業工程を通してご紹介します。
*細かい工程は省略しています。3と5の工程は外注です。
1. 図案の作成
絣の特性を踏まえ、絣糸と地糸を計算してデザインを決めます。その際に糸の伸び縮みも考慮に入れます。
2. たて糸の整経
絣糸と地糸の本数を割り出し、糸の伸び縮みも計算してドラム回転数(長さ)を決めて、絣糸と地糸を別々に整経を行います。
3. 括り
→ 手括り/水に浸した麻の一種であるアラソウで硬く括ります。
→ 機械括り/絣部分(白い部分)になるところを右回り、左回りと交互に回転して括ります。足踏みで動かすものと、コンピュータ操作によるものとがあります。
4. 綛上げ(かせあげ)
次の工程の「染色」がしやすいように、輪の状態に束ねます。
5. 染色(藍染・化学染料)
染めムラができないように、細心の注意を払って染めます。
↓
ソーピング
水洗
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6. 荒糊
次の工程の「巻立ほどき」や「留合わせ」の際に糸が乱れるのを防ぐため、糊付けをします。小麦粉やデンプン等を使用して固くします。
7. 巻立ほどき
括り糸をほどきます。染色した部分と、染色されていない白い部分(絣部分)ができます。
8. 経割り(引割り)
ねじれをとって、使用する本数に引き割ります。
9. 留合わせ(柄合わせ)
図案の柄に合わせて、70~80cmの間隔で絣糸を留合わせます。
10. 糊おとし
「荒糊」の工程で付けた糊を落とします。
11. 水洗
不純物をきれいに洗い流します。
12. 本糊
次の工程の「荒巻」や「製織」の際に糸が乱れるのを防ぐため、「荒糊」の時よりも薄い糊を付け、天日干しして乾かします。
13. 荒巻(割込み・筬通し・経巻き)
図案通りに絣糸と地糸(約800~1200本)を筬に通し、柄を合わせながらビームに巻き取っていきます。
14. つなぎ込み
「荒巻」後のたて糸とあぜ金の残り糸をつなぎ込んで引き出します。
15. 管巻き
よこ糸を木管に巻きます。
16. 機仕掛け
ビームを織機に建て込みます。
17. 製織(手織り・機械織り)
柄を合わせながら織ります。
18. 仮だたみ
次の工程の「湯通し」の作業がしやすいように。
19. 湯通し
製品になってからの縮みを少なくするため、一晩お湯につけ込んで、あらかじめ反物を収縮させます。
20. 乾燥(天日干し)
天日で乾かすことで反物への負担が少なくなり、柔らかい風合いになります。
21. 整反(台掛け)
キズや織り段を検査しながら、きれいに本だたみを行います。
完成
できあがった反物は主に、株式会社オカモト商店さんや重松株式会社さんなどの問屋に卸しています。